定期接種(平成24年9月1日から)
個別接種・接種回数4回 |
不活化ポリオワクチン(IPV)
イモバックスポリオ皮下注
(平成24年10月23日更新) |
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厚生労働省:
ポリオとポリオワクチンの基礎知識Q&A
不活化ポリオワクチンの導入に関する方針について(案)平成24年4月23日付(PDF)
小泉重田小児科:
赤ちゃんのワクチン接種スケジュール(不活化ポリオを5か月から開始)
赤ちゃんのワクチン接種スケジュール(平成24年9月以降生まれの方)
・・・四種混合ワクチンを接種するプラン |
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- 高崎市保健所は、不活化ポリオワクチンの予診票を、平成24年5月以降に生まれた赤ちゃんを対象に平成24年7月から発送するそうです。
そこで、小泉重田小児科では、高崎市の集団経口生ポリオワクチン接種の最終日が終了した翌日、平成24年7月26日から、不活化ポリオワクチンの予約を始めました。
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- 対象年齢
生後3ヶ月〜90ヶ月(7歳6ヶ月)の前日まで
- 接種回数
4回接種です
生ポリオ+不活化ポリオの合計が4回になるまで接種します。
生ポリオを2回内服している方は、ポリオの対する十分な免疫を獲得していますので、不活化ポリオワクチンは必要ありません。(制度上も公費では不活化ポリオワクチンは接種できません)
- 接種費用
無料。定期予防接種ですから、個人輸入の未承認ワクチンを自費で接種した方も、残りの回数を公費で接種できます。
4回目の追加接種は、平成24年9月の段階では定期接種の対象外でしたが、平成24年10月23日から、4回目の追加接種も定期接種として受けられるようになりました。
ポリオワクチン接種回数 |
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これから必要な回数 |
ポリオワクチン未接種 |
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不活化ワクチン4回注射 |
生ポリオ1回内服済み |
→ |
不活化ワクチン3回注射 |
不活化ポリオ1回注射済み |
→ |
不活化ワクチン3回注射 |
不活化ポリオ2回注射済み |
→ |
不活化ワクチン2回注射 |
不活化ポリオ3回注射済み |
→ |
不活化ワクチン1回注射
平成24年9月23日から接種できるようになりました。 |
不活化ポリオ4回注射済み |
→ |
不要(免疫があります) |
生ポリオ2回内服済み |
→ |
不要(免疫があります) |
厚生労働省の説明(PDF)はこちら
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不活化ポリオワクチンは、ポリオウイルスを不活化し、免疫を付けるために重要な抗原だけで作られています。このため、従来の経口ポリオワクチンと違い、不活化ポリオワクチンが原因でポリオになることはあり得ません。
ただ、インフルエンザワクチンや日本脳炎ワクチンと同様に不活化ワクチンですから、その性質上、発熱などの副反応(有害事象・いわゆる副作用)はあります。 |
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ポリオとは以前、脊髄性小児麻痺(いわゆる小児麻痺)とか、急性灰白髄炎と呼ばれた、大人よりも乳幼児が罹りやすい病気です。
ポリオウイルスはまず口から体内に感染し、腸の中でウイルスが増えます。ただ、ポリオウイルスに感染しても殆どの方は病気の症状が現れずに、知らない間に免疫を獲得します。ところが、一部の方は腸のウイルスが脊髄に入いってしまい手や足の麻痺が現れます。これは麻痺性ポリオと呼ばれ手足の麻痺が生涯にわたって続くという大変な病気です。
わが国では1960年代前半(昭和30年代)まで流行を繰り返し、1960年(昭和35年)には年間5,000人超のポリオ患者さんが存在しました。しかし、1961年(昭和36年)に、当時の厚生省の英断による、生ポリオワクチンの導入と、一斉投与が功を奏し流行は収束しました。
生ポリオワクチンのお陰で、1980年(昭和55年)の1例を最後に現在まで野生株による新たなポリオ発生はありません。但し、生ポリオワクチンを内服したことに起因する、麻痺性ポリオは見られています。
ポリオウイルスに感染すると、90%程度の方は無症状のまま免疫を獲得します、つまりポリオに罹っても別段問題はありません、これは不顕性感染と呼ばれます。注意すべきことは、不顕性感染の患者さんは便から人にポリオを移す能力を持っています。
一方、ポリオに感染した2%以下の方は、運動機能に関係する脊髄の細胞に障害をきたします。その結果、感染後10日くらいから急激に麻痺症状が現れます(麻痺性ポリオと呼ばれます)。その前兆として発熱などの風邪症状を認めますが、その時点では診断できません。
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ポリオワクチンは今後も必要です。
現在でもパキスタン・アフガニスタンなどの西南アジアの国や、ナイジェリアなどのアフリカ諸国では現在もポリオの流行があります。ポリオに罹っていても症状が見られない、不顕性感染のポリオ患者さんが日本にポリオウイルスをもたらす危険性がないとは言い切れません。
それでも、国民全体が十分なポリオの免疫をもっている場合は、国内での大流行は防ぐことができます。実際に、シンガポールやオーストラリアでは予防接種率が高かったために、ポリオ患者さんが入国したときにもポリオの流行は起こりませんでした。 |
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急性灰白髄炎(脊髄性小児麻痺・麻痺性ポリオ)の予防 |
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国内臨床試験(74名)
注射部位の反応
紅斑66.2%、腫脹37.8%、疼痛8.1%
全身反応
発熱(37.5以上)14.9%、易刺激性32.4%、傾眠傾向29.7%
すでに接種が行われている海外では、上記の他に、当然、異常号泣、嘔吐、食欲不振、発疹、下痢、過敏症反応、じん麻疹〜ショック、アナフィラキシー様症状など、様々な事例が報告されています。
これは、インフルエンザワクチンをはじめ、全ての予防接種につきものの一時的なリスク(副反応・有害事象)です。
これらの一時的なリスクと、ワクチンのメリットを天秤にかけて、メリットがデメリットを上回っているために、世界各国で使用されています。 |
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随時、追記しているため重複する内容があります。
昭和35年頃、日本では1年間に5,000人以上の患者さんが麻痺性ポリオに罹っていました。そこで、昭和36年から、当時の厚生省の英断により、経口生ポリオワクチンを、生後3か月〜12歳までの全ての子どもたちに一斉に投与したところ、劇的な効果がありポリオの流行は収まりました。そして、昭和55年の一例を最後に、現在まで30年間、自然感染によるポリオは発生していません。
経口生ポリオワクチンは先程ご紹介したように、ポリオが流行している国では大変有効なワクチンです。
しかし、経口生ポリオワクチンを内服すると、100万回の投与に対して1.5人のお子さんが運悪くポリオを発症し、手足などに麻痺が残るということが判ってきました。
現在の日本では自然にポリオに罹る人が30年間一人もいないのですから、わずかな確率であっても、ポリオになる可能性がある経口生ポリオワクチンは、日本の実情に合わなくなってきました。そこで、ワクチンを接種してもワクチンのためにポリオにかかることがない、新しいワクチンに切り替わることになりました。それが、不活化ポリオワクチンです。
経口生ポリオワクチンは、昭和36年頃から半世紀にわたって、日本の国民をポリオウイルスから守ってくれました。定期予防接種としての経口生ポリオワクチンは平成24年8月31日にその役目を不活化ポリオワクチンに譲ることとなりました。
平成24年9月1日からは、不活化ポリオワクチンが、ポリオ予防のための定期接種ワクチンとして採用され、接種が始まります。
現在日本の4メーカーが、DPT+不活化ポリオワクチン(4種混合ワクチン)の研究を行っており、厚生労働省も早期開発を促しています。日本でも、遠くない将来に、生ワクチンのポリオから、不活化ワクチンのポリオ(注射)に切り替わると考えられています。
平成23年3月8日厚生労働省の岡本充功政務官は衆院厚生労働委員会で「本年末頃より順次薬事承認申請がなされる予定と聞いている、安全性、有効性に十分配慮しつつ迅速に審査を行い、可能な限り早く導入したい」と述べたそうです。(現在開発中のこのワクチンは4種混合ワクチンなので、将来生まれてくる赤ちゃんのに使用することを想定して作られています。)
また、平成23年5月27日ワクチンメーカーのサノフィ・パスツール社から「不活化ポリオ単独ワクチン」の製造開発を始める旨発表がありました。(このワクチンが国内で使用できるようになれば、今現在の赤ちゃんが個人輸入のワクチンに頼らなくても、不活化ポリオワクチンを接種できるようになります)
そして、平成24年6月1日、厚生労働省から各都道府県・中核市の予防接種行政担当者に対して、平成24年9月1日から生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンに一斉に切り替える方針が示されました。また、平成24年11月をめどに、国産のジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン(DPT)+不活化ポリオワクチン(4種混合ワクチン)を導入する予定も示されました。
世界のポリオワクチンを見渡すと、日本のように経口接種する生ワクチンと、注射で接種する不活化ポリオワクチンがあり、地域・国によって使い分けられています。
ポリオが蔓延している国では、生ワクチンの方が不活化ワクチンよりも発症予防には有効です。そのような国ではワクチンの輸送・貯蔵などの管理(コールドチェーンの整備)が不十分なため、接種回数を増やして免疫の獲得に心を砕いています。具体的にはせっかく冷凍車でワクチンが届いてもワクチンを受け取った側に冷蔵庫がない!、冷蔵庫を寄付したが電気が通じていない地域だった!、ある地域では民族間の抗争などの戦闘状態が続き接種自体ができない! などの日本では想像もできない理由でワクチンの効果が損なわれています。これを解決するためにコールドチェーンの整備が必要な国が世界にはたくさんあります。
一方で、ポリオが長期間発生していない国では、生ワクチンのポリオワクチンを投与していると、上記のようなポリオワクチンによる患者発生の方が増えてきてしまいます。そこで、このような国では、免疫の付き方は少し遅いものの、より安全なポリオ不活化ワクチンの注射(IPV)が行われています。更に、注射にすることで、他のワクチンを同時接種することができるメリットもあります。米国やフランスなどのワクチン先進国ではジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン(DPT)+不活化ポリオワクチン+ヒブワクチン、の5種類混合されたワクチンが使用されています。
平成24年11月からは、日本でもジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチン(DPT)+不活化ポリオワクチン(4種混合ワクチン)が使用できる見通しです。
(当院では厚労省未承認の不活化ポリオワクチンは取り扱っておりません。) |
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