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ワクチン(予防接種)の同時接種は、日本小児科学会から「必要な医療行為である」という考え方が公表されています(平成23年1月19日付)。小泉重田小児科(群馬県高崎市)ではご家族のご意見をお伺いしながら、子どもに最大のメリットがあるような効果的な同時接種を目指しています。
単独ワクチンでも接種でききます
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このページは平成23年1月19日付で日本小児科学会のHPに公開された「日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方」について、具体例を示しながら小泉重田小児科の解釈を加筆したものです。
原文は次のPDFファイルからご覧いただけます。 http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/saisin_1101182.pdf |
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- 各ワクチンの接種率が向上します
- お子さんは風邪や病気で接種スケジュールが狂うことがしばしば見られます。同時接種によって各ワクチンの接種率が向上します。
- 子どもたちがワクチンで予防できる病気から早期に守られます
- 病気には好発年齢や好発時期があります。また、赤ちゃんの体調がよいときにしかワクチンは接種できません。タイミングよく予防接種をするために同時接種は必要です。
ケース1:生後3ヶ月から3種混合ワクチンを開始しました。次は1週間後にヒブワクチン、また1週間後に小児用肺炎球菌ワクチンを接種しました。保育園に通い始めた姉がかぜを引くようになり、2回目の3種混合ワクチンを接種する前に、赤ちゃんもかぜをひきはじめました。ワクチン接種の延期を繰り返し、なかなか接種が進まないため、途中から同時接種にすることで、かぜの合間に効率よくワクチンを接種できるようになりました。
ケース2:インフルエンザワクチンを接種するために来院したお子さんに、本来ならもう接種すべき定期接種ワクチンがあったとします。予診の時に気づけば「今、一緒に接種できますよ」とアドバイスできます。その場で同時接種をすればお子さんは接種機会を得られ免疫を早期に付けられます。保護者は時間を有効に使えます。
- 保護者の経済的、時間的負担が軽減されます
- お仕事をお持ちの保護者の方からは「同時接種は仕事を休む日を減らせる」と喜ばれています。ご家庭に入られているお母さんにも、「来院する手間が省ける」と好評です。
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- 医療従事者の時間的負担が軽減します
- ワクチンを接種を希望する、より多くのお子さんに、早期にする機会を提供できます。
今までに、小児科にワクチンを予約しようとして「予約がいっぱいです」と言われたことはありませんか?
小児科医は、様々なワクチンを間違いなく接種できるように工夫を凝らしています。その一つに、「1時間あたりの接種人数の目安」があります。予約を詰めすぎないことが、思わぬ間違い(ヒヤリ・ハット)を減らす事につながります。
「医療従事者の時間的負担が軽減する」と言うことは、とりもなおさず、「接種を受ける子どもたちの安全を確保する」ことなのです。
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- 同時接種の有効性
- 複数のワクチンを同時に接種しても、それぞれのワクチンに対する有効性に問題はありません。生ワクチンを同時接種しても同様に問題ありません。
- 同時接種の副作用
- 複数のワクチンを同時に接種しても、それぞれのワクチンに対する副作用の頻度が上がることはありません。
- 同時接種できるワクチン
- 同時接種できるワクチンの本数(種類)に制限はありません。
現在日本で定着しつつある同時接種は「3種混合ワクチン+ヒブワクチン+小児用肺炎球菌ワクチン」の組み合わせです。一度の来院で3回針を刺し、5種類の病気に対する免疫を付けます。
いずれは3種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンが混合されたワクチンが日本でも発売されるので、3回針を刺して6種類の病気をカバーできるようになります。
現在米国やフランスでは3回針を刺して7種類の免疫(DPT+不活化ポリオ+ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎)をつける方法が標準です。
- 同時接種をしないワクチン
- コレラワクチン+黄熱ワクチンの同時接種はワクチンの効果が減弱することが知られています。
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小泉重田小児科では平成20年12月のヒブワクチン発売を契機にワクチン同時接種に積極的に取り組んでいます。
平成27年4月現在、当院でよく行われる同時接種の組み合わせ
- 2ヶ月児
ヒブ1回目+肺炎球菌1回目+経口ロタワクチン1回目+B型肝炎ワクチン
- 3ヶ月児
四種混合1回目+ヒブ2回目+肺炎球菌2回目+B型肝炎ワクチン+経口ロタワクチン2回目
- 1歳児
麻疹風しん混合ワクチン+ヒブ追加+肺炎球菌ワクチン追加
- 1歳ヶ月児
水痘ワクチン1回目+おたふくかぜワクチン1回目
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「お母さんのためのワクチン接種ガイド 改訂版」
待合室に置いてあります。どうぞ、お手にとってご覧下さい。
詳しくは「おすすめの本」のページへどうぞ。 |
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平成23年3月に、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を同時に接種した後に、死亡例が報告されたため、厚生労働省は「一時的な接種見合わせ」を行いました。その後、問題となったケースを専門家が詳細に分析した結果をうけ、厚生労働省は「ワクチンを同意接種しても、重篤な副反応の頻度は増加しない」と結論づけました。 |
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