《 小泉重田小児科 》
小児科・アレルギー科
インフルエンザ療養中の注意事項
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平成19年2月28日付けで、厚生労働省からインフルエンザ治療中のお子様について注意事項が示されました。原文を分かりやすく改変加筆して記します。
1)異常行動に注意
インフルエンザは発熱に伴う異常行動をおこしやすい病気です。
例えば、意識がぼんやりする、意識がなくなり、うわごとを言ったり興奮したりする、普段と違うとっぴな行動をとる、幻視が見える、妄想、けいれんなどです。
このような異常行動は、多くの場合は心配のない一時的な「熱性せん妄」という状態です。
しかし、インフルエンザ脳症・脳炎の初期症状として異常行動をおこすこともあります。
2)少なくとも2日間、お子様を一人にしないように配慮する
上記の異常行動やインフルエンザ脳症・脳炎の初期症状を早期に発見するため、インフルエンザの治療開始後は、
抗インフルエンザ薬の服用の有無に関わらず、保護者の方は少なくとも2日間はお子さんを一人にせず、十分に観察できるようにご配慮下さい。
3)現在、全ての抗インフルエンザ薬に上記と同じ注意事項が付されています。


抗インフルエンザ薬
1.タミフル
  年齢による注意事項
リレンザ
3.イナビル
4.ラピアクタ点滴薬
5.ゾフルーザ
・ シンメトレル(処方しておりません)


■タミフルA型インフルエンザおよびB型インフルエンザに有効な抗ウイルス薬です。粉薬とカプセルがあり、1歳未満のお子さんから使用できます。発売当初は製薬会社でも在庫切れになるくらい需要がありました。ところが、2006/2007シーズンに見られた異常行動の報道や、厚生労働省の緊急安全情報発出などにより、使用上の注意が厳しくなり、患者さんからも敬遠されるきらいがありました。
 

2009/2010シーズンは、新型インフルエンザを中心に、多くの方がインフルエンザに罹りタミフルの流通が悪化しました。特に小児用のドライシロップの国内在庫が逼迫したため、
タミフルカプセルの中身をばらして小児に投与することが厚生労働省から認められました。

一方で、
平成19年3月21日未明、厚生労働省から10歳以上の未成年には原則としてインフルエンザ治療薬「タミフル」の使用を差し控える旨、報道発表がありました。その後、平成30年度からは10歳台の人にも再び使用できるようになりました。



■リレンザ吸入する抗インフルエンザ薬です。この薬はご自宅でパウダー状の薬を自分で口から吸入する薬です。5歳以上のお子さんで、上手に吸入できる方に使用します。A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。薬の性質上、病医院で処方され吸入方法の指導を受けたら、その場で1回目のリレンザ吸入を行うことをお勧めします。



■イナビルは1回の吸入で治療が終了します。
イナビルはリレンザと同様、吸入する抗インフルエンザ薬です。この薬は1回の吸入でインフルエンザ治療が終了します。上手に吸入できるように、医院で吸入してから帰宅していただくようにしております。A型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。
 10歳未満のお子さんは1容器(2吸入が1回分)
 10歳以上のお子さんは2容器(4吸入が1回分)
 吸入する力があっても上手に吸入できないと治療効果が十分発揮されません。特に10歳未満のお子さんは2吸入で治療が終わってしまうため、吸入タイプの抗インフルエンザ薬をご希望の場合は当院ではリレンザをお勧めしています。


■ラピアクタ点滴薬は静脈から全身に投与する抗インフルエンザ薬です。
点滴路の確保が必用になります。小児では、急速に進行する重症肺炎やインフルエンザ脳症が疑われなどの入院加療が必用なお子さんに対して慎重に使用されることになるでしょう。
 当院で使用する場合は限定的で、重い基礎疾患を持つお子さんや、重症化しやすい重症心身障害のお子さんなどが適応になると考えています。
小児に対する投与は平成22年10月27日から保健適応になりました。


■ゾフルーザは1回服用するだけで完結する抗インフルエンザ薬です。
年齢と体重により服用量が変わります
日頃から上手に錠剤が飲める人にお勧めします。体重10Kg以上のお子さんから服用できる決まりですが、当院では少なくても5〜6歳以上からのお子さんを想定しています


■シンメトレルはタミフル発売前から使用されていたA型インフルエンザにのみ有効な抗インフルエンザ薬です。メリット(利点)は薬の量が少なく内服しやすい事です。デメリット(欠点)は、B型インフルエンザには無効であること、長期間の服用により薬剤耐性ウイルスの発現が懸念されていることです。シンメトレルはタミフルが発売された当初、タミフルの供給が不十分な時期にはよく処方されましたが、タミフルが安定供給されるようになってからは余り使用されていません。その理由は長期間の服用により薬剤耐性ウイルス発現の懸念というデメリットのためでしょう。当院ではシンメトレルを処方しておりません。
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