《 小泉重田小児科》
小児科・アレルギー科
赤ちゃんぜんそくの診断
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赤ちゃんのゼーゼー
乳児ぜんそくの診断
呼気性喘鳴(こきせい ぜんめい)
呼気性喘鳴を3回以上繰り返す
呼気性喘鳴の調べ方
夜ひどいのに、昼間はゼーゼーしない
小児ぜんそくとアレルギー検査
ハウスダスト陽性とは?
アレルギー体質とOne airway, one disease
10 ぜんそくと似た病気
11 いつまで、治療するのですか?


1 赤ちゃんのゼーゼー
赤ちゃんや小さい子どもは、咳のかぜをひいた時(呼吸器感染症にかかった時)にゼーゼー・ヒューヒューすることが良くあります。 小児ぜんそくはゼーゼーする病気ですが、赤ちゃんが1度ゼーゼーしただけでは直ぐに「ぜんそく」とは診断しません。それは、赤ちゃんがゼーゼーする時にはぜんそくと似た色々な病気があるからです。
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2 乳児ぜんそくの診断
乳児ぜんそくの診断目安は「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」ことです。
日本小児アレルギー学会では、赤ちゃんのぜんそくを的確に診断するため、2歳未満のお子さんのぜんそくを特に「乳児ぜんそく」と呼び、「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012」の中で、その診断や治療のガイドラインを示しています。
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3 呼気性喘鳴(こきせい ぜんめい)とは?
息をはいている時にゼーゼー・ヒューヒューする事を呼気性喘鳴と呼びます。
「呼気(こき)」とは「息をはく時」という意味で、「喘鳴(ぜんめい)」とは「ゼーゼー、ヒューヒュー」することです。
お子さんが「ゼーゼー・ヒューヒュー」する時は、空気の通り道のどこかで、空気の流れを妨げているものがあります。どこで空気の流れが悪くなっているのかを大まかに知るために、お子さんの呼吸音(ゼーゼー・ヒューヒュー)を呼気性喘鳴と吸気性喘鳴の2種類に分類します。
呼気性喘鳴は下気道の空気の流れが悪い場合(細気管支炎・ぜんそくなど)、
また、吸気性喘鳴は上気道での空気の流れが悪い(鼻みずが多い、クループ・喉頭炎など)に認められます。
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4 呼気性喘鳴を3回以上繰り返す
1回目の呼気性喘鳴を認めた後、無症状の時期が1週間以上続いてから、次に呼気性喘鳴を認めた時に2回目と数えます。
例:咳のかぜ(呼吸器感染症)にかかった時にはじめて「呼気性喘鳴があります」といわれた場合を例に挙げると、翌日もゼーゼーしていても2回目の呼気性喘鳴とは数えません。咳のかぜがすっかり治って、少なくとも一週間以上たってから、再び「呼気性喘鳴があります」といわれた時を2回目と数えます。
このように数えて、3回以上の呼気性喘鳴を認めれば、小児ぜんそくである可能性が高いと考えながら診察を続けます。
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5 呼気性喘鳴の調べ方
(1)赤ちゃんの息がお母さんの耳にかかるように、赤ちゃんの口元にお母さんの耳を近づけます。
(2)暖かい息がお母さんの耳にかかる時が、赤ちゃんが息をはいている時(呼気)です。
(3)暖かい息が耳にかかる時に「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」という音が聞こえれば呼気性喘鳴が聞こえたと考えます。
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6 夜ひどいのに、昼間はゼーゼーしない 
軽いぜんそく発作(小発作)は治療をしなくても自然に軽くなることが良くあります。
適切な喘息の診断と治療のために、軽いゼーゼー・ヒューヒュー(ぜんそく小発作)を見のがさないようにしましょう。
夜間に咳で目が覚めたり、咳で嘔吐したりした場合は、本当はその時に軽い「ゼーゼー・ヒューヒュー」が聞こえていたかも知れません。
昼間になると症状が軽くなるのが、軽いぜんそく発作の特徴ですから、ご自宅で呼気性喘鳴の有無を調べることも大切です。
ぜんそくの診断は医師の診察により「呼気性喘鳴」の有無を判断することが原則ですが、診断の参考になりますので、「呼気性喘鳴の調べ方」を試してみて下さい。

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7 小児ぜんそくとアレルギー検査
呼気性喘鳴を3回以上繰り返した赤ちゃんは、「広義の乳児ぜんそく」と考え、症状に応じてぜんそくの治療を行います。
それに加えて、アレルギー検査で吸入性抗原(ハウスダスト・ダニ・カビなど)にアレルギーがある場合は「狭義の乳児ぜんそく」として、より注意深く経過を観察し適切なぜんそく治療をする必要があるとされています。
そして、アレルギー体質であれば、今後スギや、カモガヤなどの花粉症へ発展しないように、ホコリダニ対策を(環境調整)を行いましょう。
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8 布団掃除って有効ですか?
アレルギーの原因はアレルゲンと呼ばれ、ハウスダスト、スギ花粉、ブタクサ花粉、ネコのフケ、卵白など色々な種類があります。
アレルゲンの中でも肺の中に吸い込まれるアレルゲンは「吸入性抗原」と呼ばれます。ハウスダスト、カビ、動物のフケや唾液などの吸入性抗原は気管支でアレルギー反応を起こし、ぜんそく発作の原因となります。
お子さんがハウスダストを吸い込まないように、あらゆる手立てを講じましょう。
最も効率が良いぜんそく発作の予防対策は、布団掃除です。
お子さんは1日24時間のうち、8時間〜12時間を布団で過ごします。
一週間に一度は、布団を干して・たたいて・
電気掃除機で布団表面のホコリダニを吸い取って下さい。 布団の掃除機がけは大変ですが、極めて有効です。
一方、スギ花粉やブタクサ花粉も鼻や目や喉でアレルギー反応を起こしますが、花粉の粒子が大きいため肺の奥までは入ってゆかないので、小児ぜんそくの直接のひきがねになることは余りありません。
但し、間接的な引き金になることがわかっています(One airway, One disease)。
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9 アレルギー体質とOne airway, one disease
前項で、花粉は粒子が大きいので,肺の中の細い気管支までは届かないことを述べました。
しかし、花粉が鼻の粘膜に付着して、鼻でアレルギー反応を起こすと、鼻アレルギー自体が他臓器にも影響を及ぼす物質を作り出し、結果的に気管支のアレルギー(ぜんそく)を引き起こすことが近年わかってきました。
空気の通り道は、口・鼻・のど、から気管・気管支を通って肺に達しています。この
一筋の空気の通り道(One way)を一つに臓器と捉え、鼻アレルギー(花粉症)も、気管支のアレルギー(ぜんそく)も、同じ”気道”という一つの臓器の病気(One disease)と考えて、ぜんそく治療を組み立ててゆく考えがあります。
これを英語では
"One airway, One disease"と呼び、この考えに則した治療が最近の主流になっています。
アレルギー体質の方には、ぜんそくに限らず、他臓器のアレルギー疾患のケアが必要です。
具体的には、スギ花粉症を合併した喘息患者さんには、鼻アレルギーの予防や治療を積極的に行い、アレルギー性副鼻腔炎を合併した患者さんには耳鼻科の医師と協力しながら治療をすること、などです。
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10 ぜんそくと似た病気
赤ちゃんは咳のかぜ(呼吸器感染症)にかかった時に、乳児ぜんそくと似た症状が見られます。
特に急性喉頭炎(仮性クループ)、急性気管支炎、毛細気管支炎、急性肺炎などにかかった時に呼気性喘鳴を認めることがあります。
乳児ぜんそくを診断する時には「呼気性喘鳴を3回以上繰り返す」ことなどの診断の目安を基に慎重に判断します。
また、後鼻漏(アレルギー性副鼻腔炎などにより鼻汁が鼻からのどの奥に流れること)、胃食道逆流現象、ピーナッツなどの気道異物、えん下協調障害、心臓や気管支の生まれつきの病気などの病態でもゼーゼーすることがあるので慎重な判断が必要です。
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11 いつまで、治療するのですか?
乳児喘息として治療を始めた場合は、治療方針を3ヶ月毎に大きく見直します。
ここでは、詳しくは触れませんが「ゆっくり寝られるようになった」、「ぜーぜーしなくなった」、あるいは「咳が出なくなった」というように、ある一定の治療目標に達した場合でも、肺の中のアレルギー性炎症が残っています。
治療を減らしてゆく際は「効果が補助的な薬」からゆっくり薬を減らしてゆきます。「ゆっくり」というのが概ね3ヶ月毎の減薬を意味します。
但し、赤ちゃんによって、かなり早く減らす場合もありますので、あくまでも目安です。
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