《 小泉重田小児科 》
アレルギー科
スキンケア
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赤ちゃんと子どもの湿疹・アトピー性皮膚炎のスキンケア、ステロイド軟膏の塗り方などを記載しています。スキンケアは皮膚のトラブルを治す基本手技です。ご不明な点は診察時に医師や看護師にご相談下さい。
石けんで洗っていいの?
耳や目の周りの洗い方は?
1日に何回軟膏を塗るの?
いつ軟膏を塗るの?
どこに塗ればいいの?
1回の軟膏の量は?
FTUって何ですか?
いつまで塗るのですか?
良くなったらどうするの?

(1)石けんで洗っていいの?
 はい、石けんを泡立てて手で洗って下さい。石けんは湿疹の原因になる汗やばい菌、そして水に溶けにくい軟膏も落とすことができます。ジクジクている所も石けんで洗い、清潔にしてから軟膏を塗りましょう。注意点はガーゼ・スポンジ・手袋などで皮膚をこすらないことです。石けんを十分に泡立てて、手で石けんの泡をつけてください。また、すすぎが不十分だとかぶれ・かゆみの原因になります。シャワーでしっかり石けんを落としましょう。すすぎの時も皮膚を擦りすぎないように手で洗いましょう。ページ先頭に戻る

(2)耳や目の周りの洗い方は?
 泣いても大丈夫ですから石けんの泡で洗い、良くすすぎましょう。耳から目の周囲はどなたも洗い残しが多い場所です。洗う人(保護者)が両手を使えるようにすると上手に洗えます。両手を使うことで、「首のしわ」などの洗いにくい場所を広げて洗ったり、「目と目の間・目と鼻の間・耳の後ろ」なども安心して石けんの泡で洗うことができるようになちます。赤ちゃんのお母さんとしては「目に石けんが入ったら、どうしよう!、耳に水が入っちゃたら大変!!」とお考えになるのが当然でしょう。しかし、穿孔性の中耳炎(鼓膜に穴が開いてなかなか穴がふさがらない中耳炎)にでもなっていない限り、耳に水が入っても鼓膜の手前までしか入りませんから心配ありません。入浴後にタオルで耳をふいて、その後はティッシュペーパーをこよりにして、耳の中の水を吸い取ると良いでしょう。外耳炎や鼓膜損傷の可能性があるので綿棒は使わない方法を通常はお勧めしています。ページ先頭に戻る


(3)1日に何回軟膏を塗るの?
 ステロイド軟膏は1日に2回の塗布が標準的です。アトピー性皮膚炎の患者さんは治るまでに時間がかかります。更に、病状が良くなったり悪くなったりする慢性の病気なので、ステロイド軟膏を根気よく塗布していただかなければなりません。ある程度皮膚が良くなると、軟膏をつけること自体がストレスになってしまいます。学問的にもステロイド軟膏を1日に2回塗布と3回塗布を比べた研究が行われ、どちらでも治療効果に大差がない事がわかっています。そぉで、アトピー性皮膚炎の患者さんの負担を軽くするために、現在は1日2回の軟膏塗布が標準的な治療法です。但し、病状や、部位によっては(特に赤ちゃんのよだれがつく部分には)短期間1日に4〜5回ステロイド軟膏を塗布していただく場合もあります。
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(4)いつ軟膏を塗るの?
 1回目は入浴後15分以内に、できれば5分〜10分以内に。2回目は朝起きてすぐ塗布しましょう。夏期は汗をかきやすいので、1日に2回入浴し、その後に軟膏を塗布していただく場合もあります。但し、1日2回の入浴はお母さんに時間のゆとりがある場合や、病初期の皮膚の状態が特に悪い時に短期間行っていただいています。むしろ、皮膚がツルツルに良くなってからのケアが大切です。「継続は力なり」の精神で、ラクをしながら治してゆきましょう。ページ先頭に戻る

(5)どこに塗ればいいの?
 1)触ってみてカサカサ・ザラザラする所。2)お風呂上がりに赤くなっているところ。3)お子さんがかゆがっている所。以上の3カ所がステロイド軟膏を塗布する大切なポイントです。ページ先頭に戻る


(6)1回の軟膏の量は?
 患部を覆い隠せるように、軟膏を「のせるように」塗布できるくらいの量が適量です。ステロイド軟膏は使用量が少ないと効果を発揮できません。そこで、ステロイド軟膏を初めて塗布する方には、十分な量がつけられるように次にご紹介するFTU(フィンガー・チップ・ユニット)という使用量の目安をお勧めしています。一方、皮膚の状態が良くなってくると、患部の凹凸が少なくなり、軟膏が必要な表面積も減るので、「覆い隠せるように」使用する軟膏の量も自然に減ってゆきます。ページ先頭に戻る


(7)FTUって何ですか?
 FTUは「フィンガー・チップ・ユニット」と読みます。これは患者さんに十分量のステロイド軟膏を使用いただくために考え出された軟膏使用量の実際的な目安です。「10g軟膏(出口径5mm)の軟膏を大人の人差し指の指先から第一関節まで」の範囲に出した軟膏の量を「1FTU」と呼びます(図)。1FTUは軟膏0.5gに相当します。1FTU分の軟膏を「大人の手のひら2枚分」の面積に塗布することで、十分な量の軟膏が塗布できます。10gチューブの軟膏1本には20FTUの軟膏が入っています。例えば、生後4〜5ヶ月くらいの赤ちゃんの顔・額・あご・耳に軟膏をつける場合、赤ちゃんの顔の面積はだいたい「大人の手の平2枚分」位なので、1回の軟膏量は1FTU、1日2回塗布すると1日で2FTU分の軟膏を使用します。10gチューブの軟膏は10日間くらいで終わることになります。

10g軟膏(大きいチューブ)
1FTU : 1関節分


5g軟膏(小さいチューブ)
1FTU :
1.5〜2関節分


軟膏の大きさ
10g(上) 5g(下)

小さい軟膏(5gチューブ)の出口径は4mm、大きい軟膏(10gチューブ)の出口径は5mmの製品が多いとされています。 ページ先頭に戻る

(8)いつまで塗るのですか?
 ツルツルのお肌になってから、徐々にステロイド軟膏を減らしてゆきます。急にやめると皮膚の炎症がぶり返してしまうので、皮膚の状態を医師に確認してもらいながら減らしましょう。通常はステロイド軟膏を1日2回 ・・・> 1日1回 ・・・> 次は間欠投与といって、2日間ステロイドを塗布して1日休み ・・・> 1日おきにステロイド塗布 ・・・> 月・水・金のみステロイド塗布 ・・・> 日・木のみステロイド塗布・・・というようなスケジュールでゆっくり減らします。皮膚の炎症が軽い方はもっと速いペースで減量してゆきます。ページ先頭に戻る

(9)良くなったらどうするの?
 皮膚の状態が改善しステロイド軟膏を減らせた場合は、保湿剤のみを使用していただきます。子どもの湿疹やアトピー性皮膚炎は感染症(かぜ)により悪化することがしばしば見られます。皮膚が悪化してきたら重症化する前に、再度ステロイド軟膏を使用し、改善したら早めに減量してゆきます。
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